2010年7月 暑い時には

ニューヨークは7月に入ってすぐ体感温度が40度を軽く超える猛暑が続いていました。最も暑かった数日間はテレビのニュースでもお水をたっぷり飲むこと、明るい色の服を着ること、そしてクーラーのかかった部屋にいるようにすることの3つが繰り返されていました。そしてクーラーがかかって誰でも入れる場所がクーラーを持っていない人達のために開放されていたようです。

日本のクーラーはたいがい風向きを自動で動かすことができ、部屋全体を同じ温度に保ってくれますが、私の部屋に引っ越した時からあったクーラーは手動でしか風向きを変えることができません。(ニューヨークではコンロと冷蔵庫は大家さんが用意してくれるので前の人がつかっていたものをたいていは引き続き使うことになります。クーラーもついていればそのまま使えます。)

それによりクーラーの風向きの方向は涼しくなるのに、違う方向は暑いままという現象が起こるのです。だから部屋全体を涼しくするには扇風機も必要だし時間もかかります。そのことを生まれも育ちもNYという友達に話したら、日本にはそんなクーラーがあるのか!?と驚かれる始末。それで私は自分の持っているクーラーがこちらでは普通なのだと知って扇風機も使い、西日が部屋に入らないようにカーテンを早くから閉めるなどの工夫をするようになりました。

ニューヨークでは2月には部屋の中は8月の気温、8月には部屋の中は2月の気温と言われるほど空調が激しく効いていますが、最近はそれも少し緩和されてきているように感じます。冬は今でも建物の中はとても暑くなりますが、暑い日にレストランに入っても意外とクーラーが効いていなかったりするのです。

つい先日、日本から戻ってきた人と話していたら、日本も以前はクーラーがガンガンと効いて寒い場所が多かったけれど、今回帰国したらそうでもなかった、と話していました。やはり度が過ぎれば人は考えるようになり、今はエコが主流となってきているので徐々に何かがかわってきているのでしょうか。

それでも寒い場所はまだまだたくさんあります。その中でも私が特に寒いと思う場所、それは美術館です。特にニューヨークの美術館は美術館という役割を果たしながら同時に観光地にもなっているので、たくさんの人が訪れます。だからエアコンがきつく設定されているのも理解できないこともないし、作品を守るためとも言えます。

しかしどうやら日本人、もしくはアジア人と欧米人の体感温度にはずれがあるようで、寒い美術館や映画館をわざわざ選んでやってくる人もいるようです。

photo_sawada_2010_7

いまMOMAで行われている”PICTURES BY WOMAN”では様々な女性写真家の作品が展示されていて、石内都さん、草間弥生さんや岡上淑子さんの作品も一緒に展示されています。私は3回この展示を見に行きました。もちろんたくさんの防寒をして。

(text・photo/澤田知子)

澤田 知子
フォトアーティスト、成安造形大学2000年卒。
現在、文化庁在外研修員としてニューヨーク在住。
第29回木村伊兵衛賞受賞。
セルフポートレートの手法で「内面と外見の関係」をテーマに作品を制作し、国内外で発表している。

  • seian
  • このページのトップへ △