2009年7月 選ぶということ

私がベジタリアンになって早くも3年が経ちました。実は3年前に食生活を変えた時はベジタリアン(菜食主義)よりもさらにストイックなビーガン(菜食で乳製品を含む動物性のものを全く摂取しない)でした。約6ヶ月の初ビーガン生活の後、私の身体は激変し動物性のものが私の身体には合わないことを知りました。今ではビーガン食を中心にレストランに行けば少しはお魚や乳製品もとりますが、ストイックな食生活とそれほどでもない食生活を身体の調子を見ながら繰り返しています。
私が聞いたところによるとニューヨークはアメリカの中でサンフランシスコに続きベジタリアンに優しい街第2位だそうです。私の家の近くにもオーガニックのお野菜を買えるマーケットやベジタリアンやビーガン専門のデリがあります。日本だったら東京か、もしくはオンラインでしか手に入らないような物が簡単にわりとどこでも買えることを思うと、さすがベジタリアンに優しい街、といったところでしょうか。あとは日本だと外ではなかなか飲めないディカフコーヒー(ノンカフェインコーヒー)やディカフティー(ノンカフェイン紅茶)がデリでもダイナーでもレストランでもどこでも簡単に飲めるのでニューヨークにきてからはこのカフェインレスのものを飲むことが増えています。穀物コーヒーやディカフコーヒーのインスタントも街のデリやスーパーマーケットで買うことが出来るのです。
あとニューヨークでよく見かけると言えばグリーンマーケット。これはローカルのお野菜やオーガニックのものをたいてい週に1度の割合で売りにくるテント市場(写真)で、ここに行くと旬のお野菜をはじめ、ローカルのお野菜を買うことが出来ます。アジア人のテントに行くと日本のお野菜が買えることもありますし、こちらにきてから知ったお野菜もあり初めて手にするお野菜に挑戦することも楽しみの1つです。
ニューヨークはレストランがとても多く、また色々なタイプのスーパーマーケットがあり、世界中の料理を手軽に楽しむことが出来ます。まるで世界の色々な物が少しずつ集まったかのよう。そしてこれは食事にかぎったことではありません。
学生の時に、ゲスト講師でいらっしゃっていた小本章さんが「世界が遠いのではない、日本が世界から遠いのだ」とおっしゃっていたことを今でも覚えています。そしてニューヨークで様々な国からやってきているアーティストやキュレーターに出会う度にこの言葉を思いだしますし、本当にそうだなと実感します。私がラッキーだったと思うことの1つは、先ほどの小本章さんのように先生以外にも海外でも活躍する、最先端で仕事をしている評論家や作家の方々と直接話が出来る機会が学生時代に多々あったことです。今でも先生はじめゲスト講師の方々の言葉をふと思いだすことがよくあります。そして学生時代に世界について美術業界のことについて話を聞くことで世界を体験できたことがいま私がニューヨークという場所を選んでいるということに繋がっているのかもしれません。

(text・photo/澤田知子)

澤田 知子
フォトアーティスト、成安造形大学2000年卒。
現在、文化庁在外研修員としてニューヨーク在住。
第29回木村伊兵衛賞受賞。
セルフポートレートの手法で「内面と外見の関係」をテーマに作品を制作し、国内外で発表している。

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