2010年6月 Japanese Foods

外国の街に住んでいて、それがニューヨークで良かったと思うことがいくつかありますが、中でも日本人の友達とよく「ニューヨークで良かった」と口にするのは美味しい日本食を食べた時です。

きっとニューヨークのことをあまり知らない人が聞いたら驚くほど色々な日本食をここでは食べることができます。日本で食べるようなイタリアン、日本で食べるよりも安いのに美味しいお寿司、数種類のタイプのラーメン屋、讃岐うどん、おそばにやきとり屋さん、居酒屋におにぎり屋さん。日本のケーキやお弁当も買えるパン屋さん。他にも色々。

こちらに来てすぐの頃は色々なレストランに行くのが楽しくて、様々な国の料理を食べに行っていました。韓国、タイ、ベトナム、インド料理などは日本よりもずっと安く食べることができます。しかし日が経つにつれてだんだんと美味しい日本食、ちゃんとした日本食が恋しくなることが増えました。

私はこちらで日本人にとても良い印象を持った人にしか出会ったことがありません。もちろん、私が日本人だから、日本のことを悪くいうことはないのかもしれませんが、日本人だというだけで、きれい好き、きっちりしている、頭が良い、などなどの嬉しい言葉が相手の口からでてきます。

何人かの知り合いや友人になぜそういう風に思うのかと尋ねたことがありますが、自分の日本人の友達を見ていてという人を除けば、イチロー選手や松井選手を見ていてそう思うようになったという人もいれば、日本のテクノロジー、商品等の素晴らしさからそう思うようになったという人、そして日本食のレストランに行ってそう思うようになったという人もいました。

こちらにあるレストランではおしぼりはでてきません。でも一部の日本のレストランではちゃんとおしぼりがでてきて、トイレはウォシュレット付き、お店がきれいでサービスが丁寧など、他のレストランとの差が日本人に対する良い印象にもつながっているようです。

私のこちらにいる友人の一人が、もし日本に戻ったら恋しいのはレストランだと話していましたが、私も帰国したらニューヨークの日本食が恋しくなるような予感がしています。

(text・photo/澤田知子)

澤田 知子
フォトアーティスト、成安造形大学2000年卒。
現在、文化庁在外研修員としてニューヨーク在住。
第29回木村伊兵衛賞受賞。
セルフポートレートの手法で「内面と外見の関係」をテーマに作品を制作し、国内外で発表している。

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