映像クラス東京研修

NHK放送技術研究所

2010年5月29日(土)、映像・放送、CG・アニメーションの2クラスで、NHK放送技術研究所の「技研公開2010」と、神奈川県立近代美術館で開催中の「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ」に行ってきました。

技研公開2010

このイベントは、NHKが毎年開催しているもので、1年に1回開催されているものです。NHKが行っている映像・放送関連の最新の研究成果を一般公開しています。今回、注目すべきなのは、やはり裸眼立体視とスーパーハイビジョンでしょう。この2つの技術は、今非常に注目されていますね。あとは、インターネット等による配信技術に関するものが重要なものでしょうか。

裸眼立体視

僕は専門ではないので、あまり詳しい話はできませんが、現在、映画館や市販されてるテレビ機器などでかなりクローズアップされているものに、3D映像というのがあります。右目用の映像と左目用の映像を別々に撮影し、右目用の映像は右目だけに、左目用の映像は左目だけに見せることで、視差を生み出し、映像に立体感を感じさせるというものです。この3D映像の代表的なものが、3Dメガネをかけてみるタイプなんですね。最近、大きな話題をさらった劇場映画「アバター」などはこの技術を用いて、飛び出す映像を我々に見せてくれます。

しかし、3Dメガネは大きかったりして装着していると、メガネが重くてストレスになります。また、視力が低くてメガネをかけている人の場合、メガネの上に3Dメガネをかけるという、二重メガネのような状態になるのでかなり不快です。現状の3D映像のもう一つ大きな欠点は、頭が正立してないといけないということがあります。右目用のレンズ、左目用のレンズの左右に並んだ2つのレンズで撮影しているので、映像に対してまっすぐに向きあっていないと、効果がないのです。寝転んで画面を見ると、絵がぐちゃぐちゃになります。

これらの問題を解決する方法として、NHKが提案しているものが、今回、展示・発表されている「インテグラル立体テレビ」です。この技術の特徴は、「メガネをかけなくてよい」、「寝転んで画面を見ても、立体感が損なわれない」というものです。この技術が完成すれば、お茶の間で見るものとしては、理想的な3D映像になります。

技研公開2010_インテグラル立体テレビ1

技研公開2010_インテグラル立体テレビ2

で、体験施設にしばらく並んで研究段階の映像を拝見させてもらいましたが、いまいち立体感がよくわからない感じでした。なんかボヤけた感じに見えるんですが、立体感としてはそれほど…。しかし、テスト用の静止画のものを解説員の方に見させてもらったのですが、それはすごく立体感が感じられたんですね。おおっ!って思わず言ってしまう感じでした。あの静止画のモデルが映像の方にもバッチリ適用できれば、裸眼でも十分立体感が感じられるのではないかと思います。しばらく先になると思いますが、楽しみです。

スーパーハイビジョン

技研公開2010_スーパーハイビジョン1

技研公開2010_スーパーハイビジョン2

NHK技研が2000年から取り組んでいる次世代ハイビジョン放送規格が、スーパーハイビジョンです。現在、家庭で視聴できるハイビジョンはフルハイビジョンと呼ばれるもので、走査線1080本です。(テレビ画面は、絵を真横に分割したデータを送信しています。分割数が増えるほど、高精細な映像といえます。詳しくは、こちらをごらんください。) そして、こちらのスーパーハイビジョンは、その4倍の走査線4320本となっています。単純に考えるとハイビジョン画面がまるまる16個収まるサイズです。ハイビジョンでも相当綺麗な画面が見られることは、視聴されたことがあれば、おわかりいただけると思いますが、スーパーハイビジョンは、画素が細かすぎて画素を感じることができないレベルです。画素感がないので、画面の中に入っていけそうな臨場感を持っています。今までのテレビ映像とはまったく異次元の視聴体験を得られます。

ハイビジョンでもかなり大きなデータをやりとりしていて、それに耐える機器が必要なのですが、スーパーハイビジョンはさらにさらに高機能な機器を要求します。家庭で楽しめるようになるのは、まだ当分先になりますが楽しみですね。

機器展示

技研公開2010_機器展示1

技研公開2010_機器展示2

テレビ放送の機器開発の変遷がわかる撮影機器の展示などもありました。小林はくどう先生は懐かしそうにされてました。

その他

他にも様々な技術開発の研究発表があります。

技研公開2010_触覚用表示装置

目の不自由な方向けに開発された、触れる映像装置。たくさんの穴があいたところにビーズ玉のようなものが出たり、引っ込んだりして、「動く点字」のような装置になってます。展示では、地図を表示させるデモンストレーションが行われてました。

技研公開2010_電波カメラ

技研公開2010_電波カメラ映像

電波カメラ。電波を飛ばして、イメージを撮影するものです。光ではなく、電波を使うので、壁などの遮蔽物を透過して撮影することができます。ですが、色の情報は得られません。モノクロ画像のみで、そこに物体があるかないかがわかるという感じです。

これらの他、スーパーハイビジョンで使われている音響システムの研究。スーパーハイビジョンは、22.2chサラウンドになっていて、スピーカーが24台使われているわけですね。これを家庭で再現するのは、なかなか大変なので、もっと少ないスピーカーで22.2chサラウンドに近い臨場感を得られる研究発表などもありました。また、映像配信や制作のためのシステムなど、多種多様な内容でした。すべてのブースを丹念に見て回るとほんとに何時間もかかりそうな充実ぶりです。

技研公開2010_記念撮影

一通り、研究発表のブースを見て回ったあと、NHK技研の食堂で昼食。正面玄関で記念撮影。

NHK技研を後にして、次は神奈川県立近代美術館葉山に向かいます。アニメーション作家の巨匠、ユーリ・ノルシュテインの展覧会を見に行くためです。

ノルシュテイン&ヤールブソワ展

ノルシュテイン展@神奈川近美01

バスで神奈川県立近代美術館葉山に向かう途中で、雨が振り出してしまいました。まぁ、雨の旅も悪く無いですけども。

ノルシュテイン展@神奈川近美02

「話の話 ロシア・アニメーションの巨匠 ノルシュテイン&ヤールブソワ展」入り口。

展覧会場内の写真はありませんが、充実した内容でした。彼らの代表作に使用されたスケッチや絵コンテなどが大量に展示されており、制作している姿に想いを馳せることができます。個人的に、ノルシュテインの作品には、どのように撮影したのか疑問だった箇所が多く、それらの謎を解くヒントも多かったように思いました。(でも、やっぱりわからないんですが…)

神奈川近美のカフェにて

図録もしっかりゲットです。充実の内容で、これから度々拝見させていただきます。

神奈川近美裏、葉山の海岸

美術館を出る頃にちょうど雨が止んでいました。美術館の裏は葉山の海岸です。ちょっと寄り道して海を満喫。その後、JR逗子駅までバスで戻り、軽く講評会して解散しました。参加した学生の皆さんもいい刺激になったのではないでしょうか。この経験を糧に面白い作品を作っていきたいですね〜! あと、この企画の計画を進めて下さった小林先生と櫻井先生に感謝いたします。

講師 森田健

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