津田睦美オーストラリアレポート:1

現在、写真クラスの津田睦美准教授は文化庁在外研修員としてオーストラリアで活動されてます。
帰ってこられるまでの間、現地からコラム記事をお送りします!では、続きをどうぞ。

首都キャンベラ

オーストラリアの首都キャンベラに来て最初にとまどったのは、公共交通至便の悪さである。週末は一時間に一本しか各路線のバスはなく、しかも七時には終わってしまう。値段も決して安くはない。

この街はいわば霞ヶ関、街の中心の住人のほとんどが公務員(それも高級公務員)で、完全な車社会だ。シドニーとメルボルンの首都争奪戦の打開策として、有名なグリフィン人工湖を中心に建設された首都キャンベラは、2013年にようやく100年祭を迎える。一方、キャンベラの姉妹都市としてここで知名度の高い奈良市は、今年平城遷都1300年である。

キャンベラはオーストラリアできわめて人気のない街だが、それでも首都だということで観光客や修学旅行客は絶えない。しかし、魅力のない中心街と交通至便の悪さに多くが失望して帰っていく。今までどれほどキャンベラの悪口を聞いたことだろう。アデレード、ブリスベーンのような市民や観光客が休みの日に気楽に出かけたいと思える街ではないのだ。それを如実に感じさせるのがクリスマス。街は空っぽ、ほとんどがニューサウスウェルズやヴィクトリアの海岸へ移動していく。私にはここの人が、いい仕事(いい給料)に折り合いをつけて暮らしているとしか思えない。

しかしキャンベラも悪い点ばかりではない。ここは研究者にとってパラダイスである。私の在籍している国立博物館も、調査のために通っている国立図書館や国立公文書館もそのコレクションは膨大、外国人にもすべてのアクセスが許されサービス満点、ネットも充実している。そういうわけで、他に気をとられることもなく、せっせと研究に勤しんでいるのである。

津田睦美(准教授)
オーストラリア、キャンベラにて文化庁在外研修員として研修中

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